NY New Days

2018年、日本語教師の資格取得。2018年11月、ニューヨーク在住の婚約者とフィアンセビザ(K1ビザ)申請。2019年6月に承認され、7月にアメリカへ移住。ビザの手続きやニューヨークでの生活、また日本語教育や英語学習などについて綴っていく予定です。

日本語と他言語の比較①

日本語教師を目指しているみなさん、

国際恋愛をているみなさん、

こんにちは🌸

 

今日はこれまで日本語教育について学んで気が付いた日本語の特徴をまとめていこうと思います。

 

1.とにかく語彙が多い(世界1)

2.漢字にオリジナルの読み方をつけた唯一の言語

3.自動詞が多い

4.高コンテクスト文化

5.絶滅の危機に立たされたことがない

 

1.とにかく語彙が多い(世界1)

日本語は他言語と比べてとにかく語彙が多いです。

例えば、主要な語彙を1000語習得した場合の日常会話理解率は、フランス語では約83.5%、英語では約80%、日本語ではわずか60%と言われています。

 

要因としては、明治維新以降先進国から様々な文化が導入された背景や、敬語の待遇表現が発達していること、造語が作りやすいことなどが挙げられます。

外国からもたらされた言葉にいたっては、外来語としてそのまま残している例も多いです。

 

☆外来語の歴史☆

16世紀:ポルトガル語スペイン語

17世紀:オランダ語

    鎖国

19世紀:英語、フランス語

明治維新以降:ドイツ語、イタリア語、ロシア語

 

☆外来語の出自例☆

・オランダ(鎖国中に唯一交易を保ったヨーロッパの国。長崎の出島)

アルカリ、アルコール、オルゴール、ガス、コップ、ズック、どんたく、ピストル、ランドセル、リュックサック、etc.

 

・フランス(芸術、ファッション、グルメなどが多い)

芸術→アトリエ、オブジェ、クレヨン、コラージュ、デッサン、etc.

ファッション→ズボン(ペチコートの意)、パンタロン(ズボンの意)、ルージュ、サロペット、etc.

グルメ→アラモード、オードブル、カフェ、グラタン、ビュッフェ、オムレツ、ポタージュ、エクレア、シュークリーム、パフェ、パティシエ、etc.

 

・ドイツ(医学、化学、哲学などが多い)

医学→アスピリン、アレルギー、ガーゼ、ギプス、ノイローゼ、ツベルクリン、ホルモン、レセプト、ワクチン,etc.

化学→エネルギー、カリウム、チタン、ナトリウム、ランタン、etc.

政治・思想→アンチテーゼ、イデオロギーヒエラルキー

 

上記はほんの一例です。

ひらがな、カタカナ、漢字と3つの表現があることに加えて、外国からの言葉をそのままカタカナ英語にして残しているので学習者にとっては習得が困難になるのもうなずけますね・・・😂

 

2.漢字にオリジナルの読み方をつけた唯一の言語

日本は漢字にオリジナルの読み方を付与した唯一の国です。

当初は中国語の原音をそのまま発音していたと考えられていますが、のちに原音から離れて日本語化した発音に変化していきます。

日本語は漢語に比べて極端に音が少ないため、聞き取ることやそのまま発音することは困難でした。

そもそも漢字伝来当時は文字自体を持っていなかったため、漢字を使用して日本語を表そうと様々な工夫をしたのです。

 

そして。漢字を日本語で全く異なる音で読む工夫も始めました。

例)山(サン)→やま、海(カイ)→うみ、朝(チョウ)→あさ

 

これは英語で例えると、「Sky」という文字を「そら」と読むと定義づけるようなものです。

語彙の数を考えると計り知れない挑戦ですよね。

他の漢字圏の国では漢字をそのまま取り入れていますから、この点においてもかつての日本人のユニークさがわかると思います。

 

3.自動詞が多い

英語→他動詞と自動詞が同じくらい

日本語→圧倒的に自動詞が多い(主語を省くことさえ一般的)

 

例1)

英語:I saw the beautiful mountain.

日本語:美しい山が見えた。

 

例2)

英語)I heard birds singing this morning.

日本語)今朝、小鳥のさえずりが聞こえてきた。

 

上記の2つの例からわかるように、日本語では動作主を省いた自動詞の文が多いです。

山を見たのも小鳥を聞いたのは「私」ですが、文中になくとも自然ですね。

 

実はこの言語表現の背景には私たちのルーツが関係していると言われています。

 

周知のとおり、日本人は農耕民族です。

お米や作物を育てて生きてきました。

干ばつになれば飢餓が蔓延してしまうので、雨ごいをしました。

 

そして定期的に自然災害が起きる島国です。

洪水が起きれば村が飲み込まれます。

地震や山火事が起きれば村が壊滅してしまいます。

そんな時には今では信じられませんが、生贄を出したりスピリチュアルな儀式を行って自然の怒りをおさめようとさえしました。

 

このように自然と共存してきた日本には、自然を敬う文化が根付いているのです。

このため自然を敬う表現、「山が見える」「川のせせらぎが聞こえる」などの自動詞や、「雨に降られる」などという独特な受身表現が多く生まれたと言われています。

 

では、英語圏のルーツはどうでしょう?

ABC使用国は狩猟民族が多く、他動詞表現が多いです。

他動詞というのは言い換えれば「私が~をする」という表現です。

 

日本人が「私が・・・、私が・・・私が・・・!」というとあまりいい表現にはなりませんが、英語使用時に主語を省くと混乱を招きます。

 

様々な観点から考えても日本語は複雑な言語だなあと思います。

そして、日本語を発展させてきた人たちって偉大ですよね・・・。

長くなりましたので、4と5については次の記事でまとめてます。☺

 

 

 

 

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